「黄金比率で作ったけれど、あと一歩お店のコクに届かない」。そんな悩みを一発で解決するのが、料理人が密かに忍ばせる隠し味のテクニックだ。
最も劇的な変化をもたらすのが「赤ワイン」と「赤味噌」のピンポイント投入である。割り下を作る際、清酒の半量を重めの赤ワインに置き換えるだけで、牛肉の油脂分とワインのタンニンが結びつき、驚くほどフレンチのソースのような重厚感が生まれる。さらに、隠し味として赤味噌をほんの小さじ半杯溶かし込むと、発酵調味料特有の深い旨味が加わり、何時間も煮込んだかのような錯覚を覚えるスープに仕上がる。
また、鍋を仕込む直前に生の牛脂で鍋肌をしっかりと炒め、そこに数滴のオイスターソースを加える裏技も見逃せない。貝類の旨味成分であるハクサイエキスが肉のイノシン酸と相乗効果を起こし、一口目で脳を刺激する圧倒的な「コクのバースト」を作り出せる。