CMでのブレイクとほぼ同時期、彼女は映画界でも強烈な爪痕を残します。四国の松山を舞台に、女子ボート部の奮闘を描いた映画『がんばっていきまっしょい』。田中麗奈が演じた主人公の「悦ネエ」こと篠村悦子は、不器用で、頑固で、それでも前を向いて漕ぎ続ける少女でした。
泥だらけになりながらオールを握る彼女の姿には、演技を超えた本物の初期衝動が宿っていました。きらきらした映画スターとしての美しさではなく、汗と涙にまみれた泥臭い美しさ。この作品で彼女が放った光は、今なお邦画史に輝く青春映画の金字塔として語り継がれています。