自然の猛威だけが理由ではない。実は、開催以前から実行委員会の懐を激しく圧迫していたのが、警備費の急増と民間警備員の深刻な不足だった。韓国・梨泰院での痛ましい群衆事故以降、日本国内の大規模イベントにおける警備基準は根本から見直され、警察当局からの要請項目は年々厳格化している。
坂井市三国町の会場は、海岸線に沿って細長い地形が続き、避難経路や群衆の導線確保が極めて難しい構造をしている。2026年度の予算案において、警備関連費用は数年前の約1.5倍にまで膨らんでいた。地元の警備会社だけでは必要な人数を確保できず、遠方からの派遣要員に依存せざるを得ない状況が続いており、コストの限界突破とボランティアの高齢化が、主催側の体力を限界まで削り取っていたのだ。