インターネット上の掲示板やSNSで散見される「ポマードを使うと頭皮の毛穴が詰まり、ハゲるのではないか」という懸念。この噂の真相について、毛髪科学および皮膚構造の観点から検証します。
結論から言うと、ポマードの成分そのものが男性型脱毛症(AGA)を直接引き起こすという医学的根拠はありません。薄毛の主な原因は遺伝的要因や男性ホルモンの影響、血行不良、生活習慣によるヘアサイクルの乱れであり、整髪料の油分が毛根を萎縮させるわけではないためです。
では、なぜこのような噂が広まったのでしょうか。背景には以下の3つの物理的・衛生的な要因が存在します。
- 毛穴への直接付着と洗浄不足:整髪料を地肌に擦り込むように塗布し、洗髪が不十分な状態が続くと、皮脂と混ざった油分が酸化して過酸化脂質となり、頭皮の炎症やフケ・かゆみを招くケースがあります。
- タイトな牽引による負担:コームで髪を強く引っ張りながら長期間タイトに結んだり固めたりすると、牽引性(けんいんせい)の負荷が毛根にかかる場合があります。
- 油性ポマード時代の洗い残し:かつての油性製品が落としにくく、強い力でゴシゴシと頭皮を擦って洗ったことによる物理的な抜け毛が誤認された側面があります。
現在主流の水性ポマードを使用し、頭皮ではなく「髪の毛の中間から毛先」に塗布した上で、その日のうちに洗髪を済ませれば、薄毛や抜け毛を過度に恐れる必要はありません。