SNSや掲示板、相談サイトには尾骨痛に関する生々しい体験談が溢れている。「出産後からずっと座るのがつらい」「会社の椅子が硬くて午後になると尾骨が痛む」「尻もちをついてから半年、まだ違和感がある」——こうした声に共通するのは、痛みの場所が特定しづらく、周囲に理解されにくいという点だ。腰痛や肩こりと違い、尾骨痛は「見えない痛み」として扱われがちで、受診のタイミングを逃す人も少なくない。
現場の理学療法士に話を聞くと、尾骨痛の患者の多くは「座り方の癖」と「骨盤底筋の緊張」を併せ持つという。特にデスクワーク中心の生活では、臀筋が使われず、尾骨に体重が集中する座姿勢が常態化しやすい。また、産後の女性では、骨盤の広がりが戻りきらない時期に長時間の授乳や抱っこで同じ姿勢を取り続けることで、尾骨周囲の靭帯に持続的な負荷がかかる。これが尾骨 産後 痛みの一因である。
一方で、「尾骨は取っても問題ない」というネット上の言説には注意が必要だ。尾骨を取る手術は、保存的治療で改善しない重症例に対して行われるもので、誰にでも適用できる安全な処置ではない。術後の合併症や、骨盤底機能への影響を考慮した慎重な判断が求められる。