正式な四段重のおせちにおいて、れんこんは主に「二の重」に配置される。二の重は焼き物や酢の物を詰める段であり、口の中をさっぱりとリセットする役割を持つ。甘みの強い伊達巻や黒豆が並ぶ一の重の後に、シャキシャキとした食感と適度な酸味を提供するれんこんは、献立全体のマリアージュを完成させる不可欠なパーツだ。
こうした配置の美学を守りながら、持続可能な食卓を目指す伝統和食産業の動きも活発化している。地元の在来種蓮根を守る農家と老舗料亭がタッグを組み、無農薬栽培された高品質な根菜を直接届けるECサービスが人気を集めている。
大量生産・大量消費の時代を経て、職人が一つひとつ丁寧に包丁を入れた縁起物を大切に味わうスタイルが、本物志向の消費者の心をとらえて離さない。