青山恵の表現力を支える最大の要素は、性格の異なる複数のハープを完璧に使い分ける柔軟性にある。彼女のコンサートでは、用途や空間の音響特性に応じて精巧に選定された楽器が登場する。
グランドハープ(ペダルハープ)の圧倒的ダイナミズム
足元の7本のペダルを操作し、半音階を自在にコントロールするグランドハープは、クラシック音楽やオーケストラで中心的な役割を果たす。青山はペダルアクションの緻密な精度と、強弱の広大なダイナミックレンジを縦横無尽に駆使。圧倒的なスケール感で聴衆を包み込む。
アイリッシュハープ(レバーハープ)の素朴な温もり
レバーを素手で操作して音高を変えるアイリッシュハープは、伝統的なケルティック音楽の匂いを色濃く残す。彼女はこの小型ハープを用い、金属的ではない温かみのあるアコースティックな響きを引き出す。幼稚園での伴奏や地域イベントでは、この親しみやすい音色が威力を発揮する。
クリスハープが拓く新たな可搬性と親和性
膝の上に載せて演奏できる超小型のクリスハープは、ハープという楽器の物理的ハードルを劇的に下げる。青山は病院の病床やケアホーム、狭小なカフェスペースなどでの演奏においてこの楽器を積極的に導入し、音楽との距離感を最短にする試みを続けている。