ニュース番組で見せる鋭い表情とは対照的に、NHKの人気ドキュメンタリー番組『ドキュメント72時間』でのナレーションは、中山アナのもう一つの真面目を映し出している。市井の人々の喜怒哀楽、人生の機微を映し出す映像に対し、彼女は出しゃばらず、かといって突き放すこともなく、絶妙な距離感で言葉を添える。
淡々とした語り口の中に、ふとした瞬間に滲み出る温もり。視聴者からは「中山アナの声が流れると、登場人物たちの人生がより一層愛おしく感じられる」「感情を押し付けないのに、胸に深く染み込む」といった声が相次ぐ。ストレートなニュース報道で鍛え上げられた正確性と、人間の孤独や温もりに寄り添う感性。この二律背反する要素を高次元で融合させている点が、彼女の表現者としての稀有な才能だ。