この深い心理的テーマは、フィクションの世界でも極めて強力なモチーフとして機能してきた。米国のマーベル・コミックが手がけた名作グラフィックノベル『X-MEN:メサイア・コンプレックス』では、種族の存亡を懸けた「救世主とされる赤ん坊」を巡り、各陣営の正義と欲望が激突するストーリーが描かれ、救済という行為が持つ多義性と危うさが鮮烈に提示された。
また、日本の映像作品においても、ドラマや映画で展開された『メサイア』シリーズのように、孤独な若者たちが互いに救済を求め合いながら過酷な任務に身を投じる物語が根強い人気を博してきた。過酷な運命の中で「誰かの救いになること」を生きる糧とする登場人物たちの姿は、視聴者の心を揺さぶり続けている。