産後の心の変調を語るうえで整理しておきたいのが、他の概念との違いです。過剰な警戒心が中心となる症状に対して、気分の落ち込みや絶望感が続く「産後うつ」は臨床的な医療介入が必要となる精神疾患です。
日本産婦人科医会の指針や調査でも、産後精神保健のケアは喫緊の課題として位置づけられています。ガルガル期の警戒感がそのまま長期化し、夫婦間の信頼が完全に失われると「産後クライシス」と呼ばれる冷え切った関係に固執してしまいます。母親のメンタルヘルスを守ることは、単なる家庭内の調和にとどまらず、乳幼児の健全な発達や家族全体の生存戦略に直結しているのです。