百田氏のキャリアを語る上で避けて通れないのが、ノンフィクション作品『殉愛』を巡る激しい論争です。
伝説の司会者・やしきたかじん氏の晩年と看取りを描いた本作は、発売当初から大きな注目を集めベストセラーとなった一方、遺族や関係者との間で記述の事実関係を巡る対立が表面化。複数の民事訴訟へと発展する異例の事態となりました。
劇的なドラマを追求する筆致が当事者のプライバシーや事実確認の精度とどう衝突したのか、この騒動はメディアや出版業界全体に大きな教訓を残すことになります。しかし同時に、被写体の深奥に踏み込み感情の極限を描き出そうとする、百田氏特有の「過剰なまでの熱量」を物語る象徴的なトピックでもありました。