銀座の麺文化を語る上で欠かせない存在が「銀座 八五」だ。店主の松村康史氏は、長年フランス料理の第一線で腕を振るってきた異色の経歴を持つ料理人。彼が創り出した一杯は、従来のラーメンの概念を根底から覆した。
タレ(かえし)を一切使わず、鴨肉や丸鶏、生ハム、ドライトマトなどから抽出した濃密なコンソメのようなスープは、一口すするだけで深い感銘を与える。看板である醤油ラーメンの佇まいは清廉でありながら、口に含んだ瞬間に広がる複雑な旨味の重なりは息をのむほどだ。この独創的な一杯を求めて、連日国内外からゲストが殺到している。