広場の足元に静かに水をたたえるバルカッチャの噴水。名匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニとその父によって手掛けられたこの彫刻作品は、イタリア・バロック芸術の至宝だ。「沈みゆく船」を模したユニークな構造は、テヴェレ川の洪水で打ち上げられた船の記憶からインスピレーションを得たとされる。
多くの人々が大階段に目を奪われがちだが、この噴水の細部に刻まれた紋章や水の彫刻美にも注目したい。湧き出る清らかな水は、かつて古代ローマの水道から引かれたものであり、今も道行く人々の喉を潤している。歴史の層が幾重にも重なる広場の魅力を、五感で感じ取ることができるスポットだ。