関ヶ原の戦いにおける勝利によって天下の権力を掌握した徳川家康は、圧倒的な武力と政治力を背景に全国の諸大名に対する大規模な再編を断行した。この過酷な大名統制のなかで誕生した江戸幕府は、潜在的な脅威となり得る外様大名への監視と圧迫を強めていく。上杉家に対する大幅な減封処分も、他の大名たちに対する見せしめとしての政治的意図が濃厚に含まれていた。
徳川の絶対的権力が盤石となる陰で、かつて戦国時代を彩った名門や覇者たちが次々と改易され、歴史の表舞台から消えていった。そうした苛烈な政情の中で、辛うじて血脈と家名を保持し続けた上杉家の生き残り策は、江戸幕府という国家機構が確立していく過程の光と影を明瞭に物語っている。