みかんの皮をむいたとき、果肉の表面に複雑に張り巡らされている白い繊維状の構造物。植物解剖学におけるこの白い筋の正式名称は「アルベド(albedo)」と呼びます。ラテン語で「白さ」を意味する言葉に由来しており、柑橘類の中果皮に該当する部位です。ちなみに、オレンジ色をした外側の油胞(精油成分を含むつぶつぶ)がある皮は「フラベド(flavedo)」と呼ばれます。
アルベドは単なる皮の残りかすではありません。樹木から送られてくる水分、アミノ酸、糖分、ミネラルなどの必須栄養素を、小さな果粒(砂嚢)の一つひとつまで送り届けるための「維管束(いかんそく)」と呼ばれる高機能な輸送パイプラインです。果実が成熟するまでの間、過酷な外気や害虫から果肉を守り、命を吹き込み続ける生命維持ラインそのものであり、だからこそ極めて濃厚な生体防御成分が蓄積されています。