全国規模で広がりを見せるこの熱狂の背景には、関連組織による緻密な広報戦略と連携の強化がある。一般社団法人日本ダム協会をはじめ、現場を管轄する国土交通省や独立行政法人水資源機構は、かつて敬遠されがちだった治水・利水施設を「開かれた地域資源」へと転換させる試みを続けてきた。
各自治体や観光協会とのタイアップによる広域イベントが次々と企画され、周辺の道の駅や温泉街と連動したスタンプラリーは、地域経済への直接的な貢献を果たしている。単なる水害対策の壁ではなく、地域の歴史を学べる生きた教育の場であり、集客力を生む観光資源としての価値が再評価されているのだ。