宮崎駿監督の飛行機に対する深い愛着と造詣の深さは、アニメーション映画の枠を大きく超えている。スタジオジブリ設立以前、徳間書店の月刊誌『アニメージュ』で連載された原作漫画『風の谷のナウシカ』を読むと、映画版以上に細密なメカニック描写と、荒廃した世界におけるテクノロジーの変遷が描き出されていることに驚かされる。
宮崎監督の実家が航空機部品を製造する工場(宮崎航空興業)を経営していたことは有名な話だ。幼少期から本物の飛行機パーツや図面に囲まれて育った経験が、構造や重量バランス、気流の流れに対する卓越した感覚を養った。だからこそ、どれほど異形に見える架空機であっても、「本当に風を切って飛んでいる」という説得力が生まれるのだ。