ファンの間で「神ドラフト」と称賛される最大の理由は、上位から中位にかけて指名された選手たちの異次元の一軍定着率とタイトル獲得実績にある。1位の大型スラッガーに留まらず、2位の左腕、6位の内野手に至るまで、獲得したタレントがことごとくチームの骨格へと成長を遂げた。偶然の産物ではない。そこには徹底した適性評価と、伝統的なスカウトの眼力に最新のトラッキングデータを融合させた編成部の綿密な戦略が存在していた。
当時の球団編成は、数年後に主力選手の世代交代期が重なることを見越し、即効性と将来性の両面を満たす明確なターゲット設定を行っていた。現場首脳陣が求めた「センターラインの強化」と「長打力不足の解消」という二大命題に対し、スカウト陣は妥協なきリストアップを展開。リスクを恐れずに競合覚悟でトップタレントを狙い撃ちにしつつ、下位指名で隠れた逸材を確実に押さえるという、極めて洗練されたドラフト戦略が結実したのである。