突如として全国へ広がったトイレットペーパー品薄の噂。その発端を辿ると、SNS上で拡散された「マスクとトイレットペーパーは同じ原材料で作られているため、中国からの輸入が止まると紙類も手に入らなくなる」という全くの虚偽情報に行き着きます。
当時、新型コロナウイルスの流行初期でマスクの深刻な品薄が続いていた社会情勢が、人々の不安を極限まで高めていました。「マスクがないのだから、同じ原料のトイレットペーパーも消えるに違いない」という誤った論理の飛躍が、不安心理に火をつけた形です。
さらに拍車をかけたのが、トイレットペーパー特有の「容積の大きさ」でした。食品や日用品と比べて1パックのサイズが圧倒的に大きいため、数人がまとめ買いをしただけで陳列棚が瞬く間に空になります。ドラッグストアの売り切れ店舗状況を目撃した来店客が「本当に無くなっている」と確信し、その光景を写真付きでSNSへ投稿。視覚的なインパクトが次の買い手を呼び寄せるという、負のスパイラルが急速に形成されました。