この激動のドラマを語る上で欠かせないのが、日韓両国のエースとカリスマが見せた真剣勝負だ。大会前から「向こう30年は日本に勝てないと思わせたい」という言葉を残し、並々ならぬ覚悟で臨んだイチロー。その圧倒的な存在感に対し、韓国野球代表チームのマウンドで異彩を放ったのが左腕の奉重根だった。「イチロー封じ」の刺客として圧巻の投球を披露した奉重根は、日本の強力打線を封じ込め、自国の勝利に大きく貢献した。
敗北の悔しさを全身から滲ませ、静かに怒りを燃やすイチロー。マウンドの上で自国の国旗を掲げ、感情を爆発させる奉重根たち。二人の天才が描いた対照的なコントラストは、この大会の熱量を極限まで引き上げた。一球一球に込められた異様なまでの執念。言葉を交わさずとも、視線とプレイだけでぶつかり合った二人のプライドは、国際大会ならではの緊迫感を象徴していた。