ドラマの鴨居欣次郎のモデルとなったのが、サントリーの創業者である鳥井信治郎です。そして主人公・亀山政春のモデルが、後にニッカウヰスキーを創業する「日本のウイスキーの父」竹鶴政孝でした。
鳥井信治郎といえば、失敗を恐れずに挑戦を重んじる「やってみなはれ」の名言で知られる希代の実業家です。赤玉ポートワインの大ヒットで財を成した鳥井は、巨額の私財を投じて日本初の本格ウイスキー蒸溜所建設を決意します。その現場責任者として、単身スコットランドへ渡り本場の製造技術を学んできた若き竹鶴政孝を、当時としては異例の超破格の年俸で招聘しました。
二人の関係は、単なる経営者と雇われ工場長という枠組みを超えていました。ウイスキーへの情熱を共有しながらも、鳥井は「日本人に愛されるウイスキー」を目指し、竹鶴は「スコットランドの伝統に忠実な本物のウイスキー」を追い求めました。アプローチは異なれど、互いに相手の情熱と技術の高さを誰よりも理解し、敬意を払い続けていたのが史実の姿です。