家庭で作る麻婆豆腐が失敗する原因の9割は、「水っぽさ」と「煮崩れ」にあります。これを一挙に解決するプロ直伝の工程が「塩を入れたお湯での下茹で」です。パックから出してそのままフライパンに入れるのは絶対に避けなければなりません。
塩分濃度約1%(水500mlに対して塩小さじ1程度)の沸騰直前のお湯で1〜2分静かに茹でることで、科学的に3つの劇的な変化が起こります。
第一に、浸透圧による脱水効果です。塩分によって豆腐内部の余分な水分が外に押し出され、大豆タンパク質がギュッと引き締まります。これにより、炒め合わせても崩れない弾力が生まれます。
第二に、料理が冷めず、とろみがキープされる点です。冷たい豆腐を入れると全体の温度が急激に下がり、調味料の馴染みが悪くなるだけでなく、後から豆腐の水分が出て水溶き片栗粉のとろみがシャバシャバに緩んでしまいます。芯まで熱々にしておくことが不可欠です。
第三に、下味がついて味が染み込みやすくなる効果です。あらかじめ塩茹ですることで豆腐の余白に塩味が入り、外側の濃厚な餡と内側の豆腐が口の中で完璧に調和します。