大間のマグロ漁を取り巻く環境は、金銭面だけでなく制度面でも年々厳しさを増している。中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)の国際合意に基づき、日本国内でも太平洋クロマグロの漁獲枠規制(TAC制度)が厳格に運用されている。
いくら海にマグロが泳いでいても、割り当てられた漁獲枠の上限に達した時点でその月の漁は強制ストップとなる。大型船と小型の一本釣り船との間での枠の奪い合いや、規制期間中の休業を余儀なくされる状況は、山本さんのような個人事業主の漁師にとってダイレクトに死活問題となる。
2026年の今、大間の海で生き残るためには、単に勘と経験に頼るだけでなく、限られたチャンスを確実にモノにする技術と、厳しい規制に対応する柔軟性が求められているのだ。