ネット上の掲示板やSNSでは「東京博善の斎場は高すぎるから絶対に避けるべきだ」といった極端な意見も見受けられます。しかし、ジャーナリスティックな視点で葬儀全体の総予算を精査すると、そこには一般的なイメージとは異なる盲点が存在します。
最大の盲点は、「火葬料単体の安さ」と「葬儀全体のトータル支出」は必ずしも一致しないという点です。例えば、火葬料金の安い公営の臨海斎場や瑞江葬儀所を利用しようとした場合、居住区の制約や式場規模のミスマッチにより、近隣の寺院斎場や民間集会所を別途借りて通夜・告別式を行うケースがあります。この場合、式場から火葬場へのマイクロバス代(4万〜7万円)や寝台車・霊柩車代(3万〜6万円)が二重に加算されます。
さらに、参列者が移動に要するタクシー代や拘束時間の増加、親族の精神的・肉体的疲労までを加味すると、落合斎場のように式場と火葬場が一体化しているメリットによって、数万円程度の差額は実質的に相殺される場面も少なくありません。「火葬料の額面だけを見て遠方の公営施設を選んだ結果、親族からの不満が噴出し、車両費が嵩んでかえって高くついた」という失敗談は、葬祭ディレクターの現場で日常的に囁かれるリアルな教訓です。