当時の政局は、参議院で野党が多数を握る「ねじれ国会」の渦中にあった。福田康夫内閣は、道路整備の財源となる暫定税率の期限切れを前に、再可決を巡って野党との熾烈な攻防を余儀なくされた。与野党の譲らない政治対立は、税率失効という前代未聞の事態を引き起こす。
給油所では税率失効直前に「買い控え」が発生し、4月に入ると「駆け込み給油」で長蛇の列ができた。一方、5月の税率復活前夜には、値上げ前の満タン給油を求める車が国道まで溢れかえり、交通渋滞を引き起こした。政策の混乱が末端の現場に過度な負担を強いた典型例であり、政治主導の価格変動が経済現場に与えた混乱の爪痕は深かった。