まつ毛が伸びる直接の原因は、緑内障治療で第一選択薬として広く用いられるプロスタグランジン関連薬(FP受容体作動薬)の薬理作用にあります。
代表的な薬剤にはルミガンやキサラタンなどがあり、なかでもルミガンに含まれる主成分ビマトプロストには、毛包(毛根を包む組織)に直接働きかける強い作用が認められています。その具体的な仕組みは以下の通りです。
毛髪には「成長期」「退行期」「休止期」を繰り返すヘアサイクル(毛周期)が存在します。ビマトプロストは、休止期にある毛包を刺激して成長期へと移行させると同時に、通常数ヶ月で終わる成長期の期間そのものを大幅に延長させます。その結果、毛が抜け落ちるまでの時間が長くなり、太く長く成長し続ける状態が作られます。
さらに、毛母細胞周辺のメラニン生成を活性化させるため、毛の色が濃く黒々とする特徴もあります。この発毛作用に着目して開発されたのが、日本国内でも承認されているまつ毛貧毛症治療薬「グラッシュビスタ」です。グラッシュビスタはビマトプロストを主成分とし、まつ毛専用の治療薬として厳格な使用基準のもとで臨床現場に導入されました。