当時の写真記録を紐解くと、そこには現在の姿からは想像もつかないほどの生命力が溢れている。かつての「男島」と呼ばれる大島の上部には土壌がしっかり堆積し、青々とした立派な松の木々が風に揺れていた。引き潮の時には歩いて渡れそうな錯覚さえ覚えるほどの近さと存在感があり、地元住民にとっては散歩道から眺める日常の風景であり、写真家にとっては絶好の被写体だった。
震災前の貴重な写真を拡大してみると、岩肌を覆う深い緑と、太平洋の白波とのコントラストが鮮やかに描かれている。崩落前の二ツ島は、単なる奇岩ではなく、独自の生態系と歴史的景観を宿した北茨城市の宝だったのだ。