1980年代半ば、アジアのエンタテインメント界に未曾有の旋風が巻き起こった。その源流となったのが、厳格な道士が木剣と黄色いお札で妖怪に立ち向かう香港映画『霊幻道士』である。眉間をつないだ個性的な道士役を演じた林正英(ラム・チェンイン)の迫真のアクションは、カンフー映画の系譜に恐ろしくもコミカルな新しい息吹を吹き込んだ。
この成功を受けて台湾で制作されたのが『幽幻道士』シリーズであり、テレビドラマ版『来来! キョンシー』へと発展していく。ここで主役に抜擢されたのが、当時わずか10歳前後だったテンテンである。従来の恐怖映画の枠組みを破壊し、子供たちが憧れる娯楽作へと昇華させた功績は大きく、当時の香港映画界や台湾の映像制作現場の勢いを象徴する出来事となった。