下ごしらえの初期段階で誰もが直面するのが、揚げ出し豆腐の絹と木綿はどっちを選ぶべきかという選択です。結論から述べると、食感のコントラスト(外カリ中トロ)を極限まで追求するなら「絹ごし豆腐」、崩れにくさと大豆本来の力強い旨味、作業効率を重視するなら「木綿豆腐」が適しています。近年の和食店では、舌触りの滑らかさを優先して絹ごしを採用する店舗が約7割を占めますが、丁寧な水切りさえ施せばどちらでも極上の仕上がりが得られます。
水切り工程において、長年推奨されてきた「重石を乗せて30分以上放置する」手法は、時間がかかるだけでなく豆腐内部の構造を押し潰し、パサつきの原因になりかねません。現代の現場検証で推奨されているのが、揚げ出し豆腐の水切りをレンジで時短化する技法です。
具体的な手順は明快です。豆腐を調理サイズ(1丁を4〜6等分)に切り分け、2重にしたキッチンペーパーで包みます。耐熱皿に乗せてラップをかけず、600Wの電子レンジで2分〜2分30秒加熱します。加熱直後は内部の水蒸気圧が高まって余分な水分が外へ押し出されるため、ペーパーを交換して網の上で5分ほど余熱を冷ますだけで、自然水切り30分以上の脱水効果(重量比で約12〜14%の水分除去)が短時間で完結します。