画面の向こうで繰り広げられる怒号と心理戦。俳優の堺雅人が熱演した『半沢直樹』や『リーガル・ハイ』といった大ヒット作を思い起こす読者も多いだろう。NetflixやAmazon Prime Videoなどの配信プラットフォームを通じて、今なお国内外で視聴され続けるこれらの社会派ドラマやリーガルサスペンスは、巨額の負債や理不尽な契約に立ち向かう主人公の姿を描き、観る者の胸を打つ。しかし、作中で描かれる凄惨な債権回収や法廷闘争の火種は、フィクションの枠をはるかに越え、現代社会のあらゆる現場に横たわっている。
「ドラマでは最後に劇的な逆転劇が訪れるが、現実の法廷に奇跡など滅多に起きない」。東京地裁で債務整理を数多く手がけてきた弁護士は、冷厳な口調でそう吐露する。身元保証や事業支援という名目で交わされる契約書の一行が、法的にどれほど重い意味を持つか。それを理解しないまま判を突いてしまう心理的盲点は、エンターテインメントの枠を遥かに超えた深刻な社会問題だ。