「築地から市場機能が失われたら、長年培われた食文化の灯が消えてしまうのではないか」。そんな危機感から、築地の活気とにぎわいを将来へ継承する目的で中央区が主導して整備した生鮮市場が築地魚河岸です。豊洲市場へ移転した仲卸業者が築地にも拠点を残す形で店舗を展開しており、中央区の公式データによると、現在は約60軒の専門店が入居しています。
施設は、晴海通り側に位置する「小田原橋棟(おだわらばしとう)」と、波除通り側に位置する「海幸橋棟(かいこうばしとう)」の2棟で構成されています。それぞれかつて築地川に架かっていた橋の名を冠しており、3階の連絡通路(ウッドデッキテラス)で自由に行き来が可能です。
館内は空調が完備され、外の場外市場の雑踏とは一線を画す清潔で近代的な衛生環境が保たれています。床面は水はけの良い素材で整えられており、台車や買い出し人の往来を支えながら、一般の買い物客も歩きやすいユニバーサルデザインが取り入れられています。仲卸直営だからこそ実現する圧倒的な目利きと仕入れ力が、コンパクトな2棟の空間に凝縮されている点が最大の強みです。