他者に親切にすると、なぜ私たち自身の心まで満たされるのでしょうか。近年の脳機能イメージング研究(fMRI)などにより、利他行動が脳に及ぼすポジティブな作用が次々と明らかになっています。
誰かに親切にしたり寄付を行ったりする際、脳内の側坐核(そくざかく)や腹側線条体といった「報酬系」の部位が活性化します。これは美味しいものを食べた時や目標を達成した時と同様に快楽物質ドーパミンが分泌される現象で、心理学では「ヘルパーズ・ハイ」や「ウォーム・グロー効果(温かい輝き効果)」と呼ばれます。
さらに、他者との共感的なつながりを感じることで「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンが分泌され、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が低下します。つまり、生物学的に見ても、利他的に行動することは自身の免疫力を高め、精神的な安定と高い幸福度をもたらす優れたセルフケアでもあるのです。