一歩境内に足を踏み入れると、計算し尽くされた伽藍(がらん)配置と、四季折々の表情を見せる庭園が訪れる者を迎える。本堂の太い梁(はり)や精緻な欄間彫刻は、当時の大工職人たちが注ぎ込んだ圧倒的な技術力の証だ。
特筆すべきは、境内の最奥に位置する枯山水の庭園である。苔むした石組みと敷き詰められた白砂が描き出す小宇宙は、刻一刻と移り変わる光と影によって全く異なる表情を見せる。春には枝垂れ桜が彩りを添え、秋には鮮やかな紅葉が古木を染め上げる。どこを切り取っても絵になる風景が、訪れる者の心を捉えて離さない。