『二人だけ』の歌詞を深く読み解くと、ジョニー大倉が持ち込んだ「日本語ロックの革命的アプローチ」が随所に光っていることが分かります。当時の日本の歌謡曲やフォークソングが物語的な情緒を重んじていたのに対し、キャロルの歌詞は音韻と響き、そして直感的な情景描写を重視していました。
歌詞冒頭から展開される切ないモノローグは、夜の静寂の中で愛する人と身を寄せ合う二人の世界を描き出しています。周囲の喧騒や大人社会の理不尽から身を隠し、「お前と俺の二人だけでいたい」という願いは、当時のツッパリ少年少女たちの純粋な避難所としての心情と完全にシンクロしました。
特筆すべきは、英語フレーズと日本語の自然なブレンドです。日本語の「てにをは」を崩すことなく、スウィング感のある英語の母音とシームレスに繋ぐ手法は、ジョニー大倉がビートルズやアメリカン・オールディーズから血肉化した天性のセンスによるものです。単なる恋愛賛歌にとどまらず、どこか破滅的な予感をはらんだメロウな言葉選びこそが、『二人だけ』をキャロルのバラード群の中でも別格の存在たらしめている理由です。