近年、永野が開設したYouTubeチャンネルは、カルチャー愛好家たちの聖地と化している。そこで繰り広げられるのは、音楽、映画、文学、そしてお笑いを巡る骨太なサブカルチャー批評だ。既存の評論家たちが忖度して触れない大物アーティストの欺瞞や、祭り上げられた名作映画の退屈さを、彼は自らの実体験と膨大な知識をベースに容赦なく解剖していく。
決して上から目線の高尚な解説ではない。自身の挫折や嫉妬、情けなさをすべて曝け出しながら語るからこそ、その言説には凄まじい説得力が宿る。この配信を通じて、かつて彼を単なるギャグ芸人としてしか知らなかった若い世代や音楽ファンが、その教養の深さと批評眼の鋭さに驚愕した。YouTubeという個人のメディアを手に入れたことで、彼の思考はフィルターを通さずに直接オーディエンスの脳へと届くようになったのだ。