一方で、善意の水分補給が逆効果をもたらす危険なケースも存在する。最大のトラップは、喉がカラカラに乾いた状態で「濃いめのカルピス」をごくごくと飲み干してしまうことだ。
糖分濃度が高すぎる液体を一度に摂取すると、胃から小腸への排出スピードが遅くなり、水分の吸収がかえって遅延する。そればかりか、高濃度の砂糖が腸管内の水分を引き寄せてしまい、一時的な下痢や脱水感の悪化を引き起こすおそれすらあるのだ。さらに、冷房の効いた室内で運動もせず甘い飲料をガブ飲みし続ければ、血糖値の急激な乱高下を招き、夏バテに似た強い倦怠感を生む原因にもなり得る。効果的な熱中症対策・予防を実践するためには、「しっかり薄めて少量の塩を混ぜる」という基本原則を絶対に崩してはならない。