日本の映画館で本編上映前に必ず流れるマナー映像。そこでキレのあるパントマイムを披露し、不正録画を行おうとするのが『NO MORE 映画泥棒』のカメラ男だ。頭部が丸ごとビデオカメラになったあの奇妙なデザインは、いまや日本のポップカルチャーにおけるアイコンと言っても過言ではない。
この啓発キャンペーンは、全国興行生活衛生同業組合連合会や日本映画製作者連盟などが連携し、劇場内での盗撮行為を防止する目的で立ち上げられた。著作権侵害という重いテーマを伝えるにあたり、無機質な撮影機器をそのまま頭部に配置したビジュアルは絶大な効果を発揮している。恐怖感とコミカルさの絶妙なバランスが、映画産業を守るという明確な意図を観客の記憶に強く刻み込んだ。