日本心理学会などの研究報告においても、視線計測や認知心理学の実験によって、人間は「穏やかな表情」よりも「脅威や不快感を示す表情」に対してより早く、そして長く視線を固定する傾向(ネガティブ・バイアス)があることが立証されている。
非言語コミュニケーションにおいて、笑顔は安心感を与えるが、イライラした表情は「状況の変容」や「危機の到来」を予告する。脳はこの危険信号を見落とすまいと過剰に集中するため、結果として目が離せなくなるのだ。この心理的トラップを巧みに引き寄せて活用しているのが、現代のメディアや演出の世界である。