大槻の支配力を揺るぎないものにしていたのが、地下で夜な夜な繰り広げられた賭場だ。種目はチンチロリン。単純明快なサイコロの出目で勝負が決するこのゲームで、大槻は絶え間なく勝利を積み重ねていた。しかし、そこには綿密に仕組まれたイカサマが存在した。
出目が「4・5・6」しか出ない特製の「シゴロ賽」。このピンチの土壇場で仕込まれた賽を秘密裏にすり替えることで、大槻は圧倒的な高勝率を維持していたのだ。物語の主人公である伊藤開司は、その違和感を逃さなかった。出目の偏りを徹底的に記録し、班長グループの手元を監視。ついには湯飲みを使ったサイコロのすり替え現場を暴き出し、大槻の絶対的優位を粉々に打ち砕いて見せた。命がけの心理戦と伏線回収の美しさは、ギャンブル漫画史に残る屈指の名場面である。