参道を進む人々の視線が、一斉に上方へと注がれる場所がある。境内の出口付近に立つ大鳥居だ。通常、賽銭箱は参拝者の手の届く位置に置かれるものだが、ここでは鳥居の上部、地上約6メートルの高さに設置されている。この「日本一投げ入れにくい賽銭箱」への挑戦こそ、境内で最も活気あふれる光景の一つだ。
見事コインが賽銭箱に入れば願望成就が叶うとされる。小さな硬貨を握りしめ、何度も腕を振る参拝者たち。見事に入れば周囲から自然と拍手と歓声が沸き起こり、外れれば笑いが生まれる。神聖な参拝の場でありながら、人々のコミュニケーションと笑顔が生まれる仕掛けが、訪れる者の記憶に強く刻まれる。