アート系ホラーが脚光を浴びる一方で、クラシックな恐怖の王道を突き詰めた天才がジェームズ・ワンだ。彼が生み出した『死霊館』シリーズは、実在の心霊現象研究家ウォーレン夫妻の事件簿を基に、極上のサスペンスとジャンプスケア(脅かし演出)を融合させた。
暗闇から伸びる手、静まり返った家の中で響く手拍子。誰もが幼少期に抱いた「押入れの影」への恐怖を、洗練されたカメラワークと圧倒的な音響設計で完璧な映像美へと昇華させている。ゴシック調の雰囲気を漂わせつつ、家族の絆と悪霊との死闘を描くその語り口は、まさに正統派ホラー映画の完成形と言える。