劇中で最も重厚な緊張感を醸し出すのが、日本流通界のカリスマとして君臨するイオングループ名誉会長、岡田元也氏の動向を巡る描写だ。長年にわたり小売業界の頂点でタクトを振るってきた同氏が、なぜ異色のパートナーシップに舵を切ったのか。カメラはその決断の背景にある危機感へ肉薄していく。
対するビックカメラ側もまた、都市型店舗の頭打ち感を打開するブレイクスルーを欲していた。両社の最高幹部が人目を避けるように重ねた極秘会談のスクープは、作品最大のクライマックスとして描かれる。プライベートブランドの共同開発から店舗スペースの相互開放に至るまで、巨大資本が手を握った本当の狙いが鮮烈に暴かれていく。