立派な実を前にして多くの人が最初に抱く疑問が、「これはいったい冬瓜(トウガン)と何が違うのか?」という点です。見た目が酷似しているため混同されがちですが、植物分類も味わいも明確に異なります。夕顔と冬瓜の違い見分け方を理解することは、料理の仕上がりを左右する重要な第一歩となります。
夕顔はウリ科ヒョウタン属の一年草で、夕方に白い花を咲かせ、翌朝には萎むことがその名の由来です。実の形状は長楕円形の「長夕顔」と丸い「丸夕顔」があり、丸夕顔の果肉を帯状に薄く剥いて乾燥させたものが巻き寿司でおなじみの「かんぴょう」です。一方の冬瓜はウリ科トウガン属で、黄色い花を咲かせます。
見分け方のポイントは外皮の質感と果肉の柔らかさにあります。冬瓜の表皮は濃い緑色で熟すと白い粉(ブルーム)を帯びたり細かな産毛が生えたりするのに対し、夕顔は全体が淡い黄緑色で表面がなめらかです。包丁を入れた際、夕顔は冬瓜よりも繊維が柔らかく、加熱すると短時間で半透明のトロトロ状態へと変化します。冬瓜が煮崩れしにくく形を残した煮物に向くのに対し、夕顔は出汁を吸わせて口の中でとろけさせる料理に真価を発揮します。