京都の夜は早い、という既成概念はここで脆くも崩れ去る。日が沈むと、1階の「SCB(Staircase Bar)」は怪しげな熱気を帯びたオルタナティブな社交場へと変貌を遂げる。最先端のサウンドシステムから流れるのは、アンビエント、テクノ、ワールドミュージックが複雑に交差するエッジの効いた音響。グラスを傾けるのは、世界中から集まったクリエイター、地元の美大生、ふらりと立ち寄った海外のバックパッカーたちだ。
ここでの出会いは、旅の予定をあっさりと変更させてしまうほどのインパクトを持つ。偶然隣り合ったアーティストと深夜までアート議論を交わし、翌朝にはおすすめされた秘密のギャラリーへ向かう。そんな予定調和を嫌うトラベラーにとって、この場所は街のエネルギーが凝縮された自家発電所のような役割を果たしている。