弔事における服装選びで欠かせないのが『格式のバランス』だ。参列する立場によって選ぶべき服装の格は明確に分かれている。基本的な原則はシンプルだ。悲しみの主役である喪主や遺族よりも、参列者が格上の衣服を着てはならない。
かつて喪主の定番だった和装の和服本藍染めやモーニングコートといった『正礼装』は、現代の2026年においては簡略化が進み、主に通夜や告別式では『準礼装』が主流となりつつある。一方で一般の参列者は、準礼装あるいはシックな『略礼装』で参列するのが妥当とされる。立場を超えたオーバーな装いは、遺族に無用な気遣いをさせ兼ねない。礼装マナーの神髄は、自分を立たせることではなく、周囲の空気に寄り添う調和にある。