地方の過疎化や学校再編が進むなか、地元の公立高校が全国舞台で旋風を巻き起こす意味は、単なるスポーツの枠にとどまらない。金足農業の活躍時、秋田県内ではパブリックビューイングに大勢の市民が詰めかけ、地元紙の号外が奪い合いになるなど、地域全体が一つになった。
限界集落や人口減少に悩む地方自治体にとって、地元出身者が一致団結して全国に立ち向かう姿は、アイデンティティの再確認であり、誇りそのものだった。企業スポンサーや潤沢な寄付金に頼らない公立校の奮闘は、地域社会における「学校」という存在の重要性を再認識させる契機となったのだ。