無料で見られる大衆の娯楽から、選ばれた者だけが楽しむプレミアムイベントへ。その急激な変化が、地元住民との間に深い溝を生んでいた。
近年の滋賀県内の花火大会では、膨らみ続ける警備コストを回収するため、会場周辺の有料観覧エリア化が急速に進んだ。目隠しフェンスが湖岸沿いに長く張り巡らされ、これまで自宅近くや路上から気軽に花火を眺めていた地元住民の視界は遮られた。「税金を投じておきながら地元民が花火を見られないとは何事か」「ゴミ放置や違法駐車の迷惑だけを押し付けられている」といった不満が爆発。自治体や主催者への苦情件数は年々増加し、地域の一体感を醸成するはずの祭りが、皮肉にも地域コミュニティを分断する要因となっていたのだ。