欧米を中心に世界中で親しまれている「ロックバランシング(Rock Balancing)」というカルチャーが存在します。自然界の石を絶妙なバランスで積み上げるパフォーマンスや写真表現ですが、これを日本の伝統的な生け花に見立て、独自の侘び寂びや空間美へと昇華させた表現が「石花(いしはな)」です。
石花の創始者であり第一人者として知られるのが、石花師の石花ちとく氏です。同氏は「石を生ける」「自然の造形美と呼吸を合わせる」というアプローチを提唱し、単なるバランスゲームにとどまらない表現領域を切り拓きました。
花を花器に挿すように、河原の石を土台となる石の上にそっと添える。固定器具を介さず、石同士の対話によって一瞬の静寂を生み出す石花は、日本ならではの引き算の美学が色濃く反映された文化として国内外から高い評価を獲得しています。