なぜ、これほどまでに濃厚なエビ風味が出るのか。その秘密は、主原料であるオオグソクムシの生態と製造工程にある。
等脚目に属する彼らは、巨大な世界最大種ダイオウグソクムシの近縁種であり、生物学的にはエビやカニ、ダンゴムシと同じ甲殻類の仲間だ。水深数百メートルの海底で育った彼らは、上質なタンパク質と豊かなカルシウムをその身と殻に蓄えている。
煎餅の製造過程では、乾燥させた個体をまるごと粉末化し、米粉やデンプンの生地にたっぷりと練り込む。殻に含まれるキチン質やアミノ酸が加熱されることで、エビ煎餅をもしのぐ強烈な香ばしさと深みのあるコクを生み出しているのだ。見た目のグロテスクさとは裏腹に、その成分は栄養価が高く、理にかなった珍味と言える。