マーリンズのチーム運営を語る上で避けて通れないのが、徹底したコスト管理とアセット(戦力資産)の最大化です。マイアミ・マーリンズの総年俸は常にMLB全体で下位グループに位置しており、ニューヨーク・ヤンキースやロサンゼルス・ドジャースのようなメガバンク型球団とは対極の経営モデルを採用しています。
近年のマーリンズのトレード移籍情報を精査すると、タンパベイ・レイズで手腕を発揮したピーター・ベンディックス編成本部長の思想が色濃く反映されていることが分かります。首位打者を獲得したルイス・アラエス選手や抑え投手のタナー・スコット選手、看板打者だったジャズ・チザム・ジュニア選手らを価値が最も高いタイミングで放出し、見返りとして他球団の有望な若手プロスペクトを大量に獲得しました。
この「売り手」に徹する姿勢は短期的にはファンの痛みを伴いますが、ファーム組織の層を一気に厚くし、将来的なコンテンダー(優勝争いができるチーム)への返り咲きを狙う計算されたロードマップに基づいています。年俸の高騰を抑えつつ、メジャー昇格間近の若手を次々と競わせる育成システムこそが、現在のマーリンズの生命線です。